田舎の昔のお葬式は、地域ぐるみで、自宅で行うことが多く、多くの人が出入りする中、配偶者や親が亡くなったというのに悲しむ間も無く、お通夜、お葬式の連絡、斎場の準備に追われる方が多かったのではないでしょうか。お寺さんを呼んで、お経の前と合間にお茶を出し、納骨に行っている間に、お供えの盛り籠をバラしてお下がりをつくり、食事の準備、片付け、お葬式終わるとご近所に配り物…と、特に女性はバタバタと動いていたことを、よく覚えています。もちろん、大切な人をお弔いするのですから、それなりの用意が必要です。最近、葬儀会社がふえ、自宅ではなく、会館で行うお葬式が増えてきました。私も数回、故人と親しい付き合いのあった身内だけの、こじんまりとしたお葬式に参列しました。それは、規模は小さく、華やかではありませんが、忙しさに追われる事がなく、1番大事な故人とお別れする際に、思い出をゆっくり語り合うことができるお葬式でした。きちんと向き合えて、ほっこりした気分になれるお葬式だと思いました。